1級建築士事務所 もくもくSTUDIO

対談 talk

建て主に聞くもくもくstudio石井啓介 家づくりを楽しむーライフスタイルを大事にした住まい / N夫妻 新しい事業に挑戦する地域をひらくショップづくり/ 港南台タウンカフェ (株)イータウン 斉藤保氏
対談

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富士山に住み始めたのは?

N夫:

ある時(97年)、取材で本栖湖に来た時、東京にいる時は、えらく遠いリゾート地と感じていたのに車で来たら、意外と近くて驚いた。早朝、出てきたので、仕事も午前中に終わり、午後河口湖あたりを車で走っていたら、「別荘地売出し中」という看板が目に入って、暇つぶしに現地案内所に来てみたら、おじさんがひとりいるのね。平日で、しかも雨も降っていたし、お客さんは誰もいない。「ひやかしですけど・・・」と言ったら「あ、オレもヒマだから」って、この別荘地の中を案内してくれたんです。それでここの土地が空いてたんですね。すっかり気に入っちゃって、そこで現在手元にある全部の金、置いて・・・。

斉藤:

えっ、その日にですか?

N妻:

三万円・・・。(笑)

N夫:

いや、返してくれるっていうし。現地に会社があって、逃げも隠れもできないわけですから、まぁ、大丈夫だろうというんで。

N妻:

高速(道路)代だけ残して、あと、置いていきます・・・と。(それが、3万円!!)

斉藤:

そのおじさんも、さぞびっくりしたことでしょう!

N夫:

それで、帰ってからは、お金の計算ですよね。払えるかどうか・・・?
子どもはその頃大学生で、子どもに聞いたら、無責任なモンで、「いいじゃない!!」(笑)

N妻:

最初は、別荘に、ぐらいの気持ちで、いずれ家が建てられればいいなというその程度の気持ちで、どうしても山の中で暮らしたいという願望があったわけでもないしね。

N夫:

でも買うと…買った以上は、建てたいね、みたいなことになってですね・・・。で、いろいろまたお金の計算して、「大丈夫かな〜?」「大丈夫かな〜?」と。それで、建てる算段をするようになったんですよね。

斉藤:

石井さんへの相談のきっかけは?

N夫:

最初は、輸入住宅のようなのを調べて、そこの人に現地を見てもらって、実際に設計もしてもらったりしたんですけど。

なんか「オマエ、(現地を)見て設計してんのかよ!」みたいな設計してきたから、「ふざけるな」って、やめちゃって・・・ログハウスもみたけど、(自分たちの家の)イメージじゃなかった。

N妻:

うちは、のめり込むとのめり込むんですよ。そこで、建築に関しては、素人で何もわからないまま、本屋さんで吉村順三さんの「軽井沢の別荘」の小さい写真集を見つける。

N夫:

それが名建築だということも知らないし、吉村順三さんの名前が建築界では、とどろいているなんてことは、ボクも家内も何にも知らないんです。たまたま本屋さんで見た小さい写真集の写真は、吉村さん自身の別荘なんですね。それは、あとからわかったことですけど、伝説の別荘なんですよ!見た時は、知らなかった。で、家内が気にいっちゃって。「これだ!」「これだ!」「これだ!」っていうんで。

N妻:

そういうものを見てしまうとログハウスとは全然違うし、一生懸命すれば、もしかしたら、こういうものも建てられるかもしれないと思ったのが、ここの家のイメージのスタートですよね。

N夫:

輸入住宅の次には、東京に知ってる設計の人がいたんで、ちょっと頼んでみたんだけど、それもあまりうまくいかなかったもんで、う〜ん、どうしようかな?と思っていた。

もともと八ヶ岳のI君のように住みたいなという話があったものですから、「あそこ設計したのは、石井君だよな〜」と,じゃぁ、石井君にちょっと相談しようと家内と二人で話して、それで、「いろいろやってみたんだけど、うまくいかないんで、相談にのってくれますか?」ということで、始まったんです。

N妻:

その人は、東京の家を建ててくれた時にかかわってくれた設計士さんです。

 

お二人は、最初に親と同居のための家を建てたのが1軒目(建売りより少し自由がきく家づくりでした。)、再び別居するという事情で、設計士に依頼して、家族で住む家を建てたのが2軒目、。山梨の家は、3軒目という住まいづくりの経験があります。「次があると思って、建てているわけでは、ないんだけど・・・」

石井:

N君夫妻は、それぞれの手段で、こんなんだけどみたいなイメージがどんどん出てくるのね。ボクは、それがよかったなと思うね。

N妻:

素人なんだけど好きは、好き。素人だからとんでもないことも言うんだけど、それを受けてくれる人がいたら、それは、可能になるかもしれないということだけは、わかっている。石井君が長年の友だちだからということもあるんだけども。

斉藤:

そうですよね。多分、●●工務店とかに行ってもそれは、実現できないだろうなというのは、なんとなくわかります。

N妻:

予算が決まって、部屋の広さ、だいたい何坪の家をこの予算で建ててくださいって言って、気がついたらこういう家が建ってました。っていうことは、絶対にありえない話。

石井:

ありえない。ありえない。

斉藤:

設計士さんに頼むっていうことのハードルの高さって世の中的には、すごくあるような気がするのですが。うちも店(港南台タウンカフェ)をするときに、設計士さんに頼むっていうことは、ハナから全然考えてもみなくて、自分で図面ひいて、工務店に造ってくれっていうイメージで…。それでもなんかこう、ちょっと心配だなということで頼む気もなく、実は、なんとなく石井さんに相談したんです。そしたら、「じゃぁ、ちょっと手を動かしてみようか」という話をされて、図面書くのって何十万もかかって、大丈夫なのかなって、思ってたんですよね。

N夫:

私の方も知り合いの(設計士)がうまくいかなかったモンで、(依頼じゃなくて)相談っていうことで石井君の所に行ったんですよ。でもね、どうせやるのなら、ちゃんと関わりたいと石井君がそう言うので。そういうことなら、こちらも気心の知れている人ですから、安心してやれるんで、お願いしたんですよね。

石井:

僕たちの場合は、しばらく、ずうっと会っていなかったけど、人となりは、互いに知っているんですよ。一般の場合、依頼があったとしても、いきなりだから、わからないですけど。

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